国産=安全で、外国産=危険?いつまで昭和脳なの?
そんな話は今は昔・・・
皆さんの幻想を打ち砕きます。泣かないでね?
安全安心とされている有機農業。
日本国内での面積は2011年時点でわずか9,000ha。
割合にして、わずか0.2%。
有機農業面積世界1位のオーストラリアは396,620,000ha。
全体の4.35%。
有機農業率世界1位はイタリアで、その割合は8.6%。
面積は1,097,000ha。
危険なイメージのある中国ですら、有機農業率は0.4%。
面積にして1,900,000ha。
大量の化学農薬を使ってるイメージのあるアメリカでも、有機農業率は0.6%。
面積は1,949,000ha。
単純に面積だけで言うと、中国、アメリカは日本の200倍強。
オーストラリアに至っては、約44,000倍の面積で有機農業をやっていることになります。
もちろん、全体に占める有機農業の割合でも負けています。
有機農産物だけに焦点を絞れば、日本よりも諸外国の方が圧倒的に安全安心なのです。
これで国産=安全安心、有機農産物=安全安心という図式がいかに間違ったものであるかがわかっていただけるでしょうか?
・・・まあこれも所詮数字上だけの話で、国によって作物も違えば気候も違います。
しかし、今回僕が数値によってはじき出した結論が信じられない人は、今一度自分が信じている神話の根拠を確かめてみて下さい。
おそらく、なんの根拠もなく信じてしまっていることに気付くはずです。
世界情勢はどんどん変わりますし、科学も進歩していきます。
それに伴って農業も進化していきます。
いつまでも古い情報にとらわれていると、簡単に足元をすくわれますよ。
こんなこともありましたしね。
お米を巡る悪循環〜元を絶たない限り不正はなくならない〜
ホントに賢い人は悪い事しない
先日世間をお騒がせしたこちらのニュース、業界人としてはやはり内部告発だろうと考えています。
告発した人エライ。
こういう人がいただけ、JAグループもまだ腐りきっていないんじゃないかとも思えます。
さて、偽装された米の中では最大6割の中国産米が混入していたという事で、消費者をなめてるとしか思えません。
まあ6割混入してても気付かないんだから、なめられてもしょうがない。
というより、
「中国産米も最近は品質があがってるんだなぁ」
って感想になりますw
中国が後進国なんて考えはもう古いのかもしれません。
問題に上がっているのは2016年産米ですが、おそらく2016年産だけでなくもっと前から産地偽装していたのだという事は容易に想像できます。
最初は1割、気付かれなかったから2割、収益が悪いと元締めのJAに怒られたからおっかなびっくりで3割・・・
という風に、毎年少しずつ中国産米を混入していったのでしょう。
おそらくこの件でもJAグループ京都が大袈裟に裁かれることはなく、トカゲのしっぽ切りよろしく京山に改善命令が出て終わりでしょう。
こんな産地偽装は、多くの米卸業者で行われています。
何年にもわたって魚沼産コシヒカリの販売量が、収穫量を大きく上回っているのは有名な話です。
今回のように
「JAグループはとんでもない!」
と騒ぐのは簡単ですし、そんなのはミーハーのやることです。
このような事件が続くときに考えないといけないのは、
「どうしてこのような不正が起こり続けるのか?」
という事。
このような不正の温床になっているのは、「農作物の価格と販売手数料が異常に安い」事です。
あるJAでは農作物の販売手数料は2%。
100万円稼ぐためには、5,000万円の農作物を売りさばかなければなりません。
家や車など、元々の単価が高い商品を売るならそれでも何とかなるでしょう。
しかし、スーパーで売っている野菜やレストランのメニューは大きな災害でもない限り、値段が下がる一方です。
もし農家やJA、卸業者が適切な収入を得るための価格をつけたなら、国民の3割は餓死するでしょう。
現代日本では基本的に
「お客様は神様」
思想が蔓延しているので、消費者が
「高い!」
と言えば、値段を下げざるを得ません。
そんな状況で利益を確保しようと思うと、仕入れ価格を安くするよりほかないのです。
しかし農家ももはや限界に来ていて、これ以上国産米の仕入れ値は下げられない。
そうなると安い国の米を国産米として売るしかなくなってくるのです。
短絡的な考えですが、これが一番手っ取り早い。
ただ長期的に見れば、今回の京山のように不正が明るみに出て信用を失い、結局自分の首を絞めてしまうことになります。
本当に賢いのはお米自体の価値を高めたりして、安売り競争に巻き込まれないようにすることです。
しかし、今の疲弊したJAグループにそこまでの余裕はありません。
今回のことで「JA」という組織全体に疑惑の眼差しが向けられ、経営はさらに苦しくなるでしょう。
経営が苦しくなるほど目先の利益に飛びつかざるをえず、このような不正はさらに増えると思われます。
ばれるばれないは別として。
JAの体質が古いのは事実でしょう。
問題があるのも事実。
しかし、罪あるものにこそ救済が必要なのではないでしょうか?
なんだかんだ言っても、いまだ日本の食と農業を支えているのはJAグループなんです。
JA叩きもいいですが、そろそろ救いの策を考える時ではないかと思います。
じゃないと最終的に損をするのは、他でもない日本国民なのですから・・・
対クソ上司用戦術~逃げるは恥だし役にも立たない~
もしもあなたが不器用なら・・・
日々、クソみたいな上司や取引先の相手をして消耗されている皆様、お疲れ様です。
心より敬意を表します。
僕も新人の頃はクソ上司ともっとクソみたいな取引先に翻弄されて、常にトランス状態になっていましたが、今ではむしろそやつらをうまくコントロールできるようになりました。
世間では上司や取引先との関係がうまくいかず、最悪死んでしまう人もたくさんいます。
死ぬまでいかないにしても、鬱になったりしてたった一度しかない人生を無駄にしたりなんかしたくないですよね?
不器用でそれほど人付き合いも得意じゃない僕が、どうやってクソ人間どもとの関係を克服したのか、クソ野郎別に簡単にまとめてみました。
①付き合いが多い寂しがり屋上司対策~こちらから攻める~
嫌な人はみんなが避けたいもの。
しかし、人間の動物としての習性か、逃げるものほど追いかけたくなります。
その人のキャラや運にも左右されますが、避けたい相手に目をつけられたら大変です!
ことあるごとに付き合わされてプライベートが奪われてしまいます。
そんな上司には逃げるのではなく立ち向かってください。
飲みの誘いにおびえるのではなく、むしろこちらから誘うぐらいアグレッシブにいってください。
そうすると次第に飲みに行く時の主導権がこちらに移るようになってきます。
そうなればめっけもの。
既に「良く付き合うやつ」という印象がついているあなたがたまに誘いを断るぐらいは仕方がないと思ってくれるので、あとは断る頻度を増やしていって半年に一回ぐらいに持っていきましょう。
そうすれば忘年会や歓送迎会とかぶせることができるので、大人数の中に紛れることで嫌な上司との接触回数を減らすことができます。
敢えてうっとおしがられるぐらい懐に入り込むのがポイントです。
クソ上司を手なずけるまでに数か月を要するという欠点がありますが、その場合は酔ったふりして絡んでやれば「めんどくさいやつ」のレッテルを張ってくれるので、手っ取り早く誘いを回避することができます。
②無理難題を吹っかけてくる無茶ぶり上司対策~バカのふりをする~
自分がどれだけの無理難題を吹っかけているのかわかっていないバカ上司には、こちらもバカになって応じます。
「コイツはバカだから、何を言っても無駄」
という事を理解させればこちらの勝ちです。
③すぐキレるかんしゃく上司対策~先にキレてしまう~
何かにつけてキレてくる上司に対しては、手っ取り早く恐怖心を植え付けてやります。
簡単に言うと、
「こちらもキレる」
という戦法なんですが、キレどころが肝心です。
どんなに理不尽でも、相手が先にキレている時にキレ返すのは得策ではありません。
あなたが余程おとなしいキャラで、完全になめられている場合は話は別ですが、大抵の場合は怒っている相手に怒り返すと火に油を注いでしまうのでやめましょう。
ただの喧嘩になってしまい、立場上弱い部下の方が不利です。
キレるタイミングは相手が油断している時。
怒っていない時がベストです。
準備ができていない状態でいきなり部下がキレだしたら怖いですよね?
相手に
「コイツは何をしだすかわからない」
という恐怖心を植え付けることによって、あなたに対する攻撃を抑制する方法です。
以上、3つの対策を使い分けたり、時には組み合わせることによって僕はクソ上司、クソ取引先を克服し、今では割と平和な生活を送っています。
基本姿勢としては、守りに入らないこと。
会社や上司としては、部下に辞められたりパワハラで訴えられたりすると困るわけです。
なので、
「いざとなったら辞めてやるぞ」
「今は我慢してやってるけど、いつでも訴えられるんだぞ」
というような心構えでいると相手も下手なことはできませんし、何よりこちらに心のゆとりができます。
「やり方が汚い」
と思われるかもしれませんが基本的に社員は会社に対して、営業マンは取引先に対して弱者なので、自分の身を守るカードを持っておくことは当然の権利なのです。
まずはそのことから理解して、クソ野郎に振り回されない生活を手に入れましょう。
物事の長所と短所は表裏一体・・・ままならぬものよ・・・
貰い物はありがたいけどめんどくさい
農薬業界に身を置いてると、自分たちの売っている商品やその売り方について疑問が出てくるし、農業自体の存在意義なんてのも考えてしまいます。
けど、農業界自体は悪い人ばかりじゃなくて、むしろ純粋に他人の喜ぶ顔が見たいと思って仕事に取り組んでいる人が多いのも事実。
そんな人たちは決まって、自分たちの作っているものなどを惜しげもなく分けてくれます。ホントにありがとうございます。
「若いけん、食うど?(若いんだから、食べるでしょ?の意)」
と言って一人じゃ食べきれない量の野菜などを持たせてくれます。
この言葉を聞くたびにいつも思うんですが、食の太さと若さはそんなに関係するんでしょうか?
べつにいやってわけじゃないんだけど、こっちもお返しをしなくちゃいけないと思って後日土産を持っていくとまたお返しをくれます。
一人じゃ食べきれないからと思って、半分を別の人に上げたりするとそこでもお返しをくれます。
もはやお返しループが際限なくなって、今ウチの冷蔵庫と冷凍庫は味噌、ほうれん草、ミニトマト、みかん、餅、霜降り肉でギチギチ。
米なんか30キロあるし、インスタントコーヒーはビンで9本、焼酎5本に、缶ビール1ケース、その他細かいものetc・・・
わらしべ長者ってホントにできるんですね・・・
食に関しては田舎の方が圧倒的に有利だと思う。
素材が違うもん。
田舎って都会の人が思ってるほど排他的じゃないのよね~
それなのに、なんでみんなそんなに都会が好きなの?
だれか都会の良い話聞かせてくれ。
お米1合作るのに使われている農薬量を算出してみた
多い?少ない?
農薬の出荷量と、水田面積、米の収穫量から算出すると、H28年産のお米を1合作るのに使われている農薬は重さにして約1.3g、H27年産では1.4gでした。
データは
と
http://www.jcpa.or.jp/labo/data.html
を参照しました。
これはあくまでも平均で、無農薬や減農薬米も全体の数量に入ってしまっているので、実際に一般的な栽培方法で作られているお米にはもう少し農薬が使われているかもしれません。
1.3gというと、小さじ1/3以下です。
また、有効成分(実際に殺虫・殺菌・除草作用のある成分)はもっと少なく、農薬によって差はあるものの、3割に満たないでしょう。
そのため実際にお米1合に使われている農薬は0.5gに満たないはずです。
農薬の成分には種類によって健康を害すると考えられる量が異なりますので、一概には言えませんが、この数字をどう受け止めるかはあなた次第です。
・・・どうですか?
比べようがないので、どう判断していいか全く分からないでしょう?
結局皆さんは我々農薬業界や関係省庁、食品販売業者やメディアの言っていることを信じるしかないのです。
残念ながら。
騙されたくなければ、人のいう事を鵜呑みにせず自分で色々調べてみることをお勧めします。
ちなみに日本の有機農業の面積は多く見積もっても0.4%。
きちんと審査を受けて有機JASの登録を取っている分だけだと0.2%。
国産農産物で有機栽培のものを手に入れるのがどれだけ困難かわかっていただけるでしょうか?
農薬や化学肥料を全否定するのではなく、きちんと知ってうまく付き合える方法を考えましょう。
まだ「無農薬」で消耗してるの?ポジティブリスト制度と農薬中毒
時代は変わったんだよ・・・
僕自身もそうなんですが、「農薬」と聞くとやはり体に悪い気がしますよね?
これもやはりメディアの力が大きい気がします。
みなさん、「農薬が危ない」と聞くとまずは「残留農薬」のことを思い浮かべると思います。
残留農薬とは栽培期間中に使用され、基準値を超えて使用されたり環境中で分解されなかったりして、食品中に残ってしまった農薬のことを言います。
調べてみていただくとわかると思いますが、残留農薬による健康被害はここ10年間に報告されていません。
よく混同されるんですが、農薬の「残留」と「混入」は全くちがいます。
最も記憶に新しい農薬による健康被害事件は「中国製冷凍餃子」の事件ですが、これは実際に使用するよりもかなり濃い濃度で殺虫剤が混入したために起きたもので、出荷される野菜に健康被害になるような量が残留することはまずありません。
では、なぜ「農薬=危険」というイメージがついてしまっているんでしょうか?
おそらく、昔のイメージにとらわれすぎているんだと思います。
農薬販売者として農家さんと話していて、よく聞くのは
「昔の農薬の方がよく聞いた」
という声。
一方で、
「昔は農薬少しでも皮膚に触れると赤くかぶれたもんだ」
という声も。
なぜこのようなお叱りを受けるかというと、昔と比べて農薬の安全基準が大幅に見直されたからです。
特に平成18年(2006年)の「ポジティブリスト制度」の導入により、農薬の使用にかなりの制約が課せられるようになりました。
詳しくはこちら
なので、わざわざ高いお金と神経を使って「無農薬」や「オーガニック」にこだわらなくても、今の制度では市場に出回るものの安全性はかなり高いので、安心して食べて下さい。
ただこの残留基準、個人的には引っかかるところがない事もないんですが・・・
少なくとも改正前の基準よりははるかに安全だし、昔の基準で作られた野菜を食べていたはずのおじいちゃんおばあちゃんが長生きしすぎて問題になるぐらいだから、それほど過敏になって消耗することはないと思いますよ。
ちなみに出回っている野菜で「無農薬」や「オーガニック」と書いていない野菜は99%農薬が使用されています。
それらを避けて食べるなんて余程時間と金を持て余していないと不可能です。
心配しないで、「有農薬」野菜とうまく付き合っていきましょう。
かしこい農家になろう!一番経費削減できるポイント
マスメディアに騙されないで
一般消費者の方々はもうお忘れの頃だと思われますが、昨年に小泉進次郎氏が展開した農業改革戦略。
「農家の手取りを増やすため」として、様々な改革案が提案された末、農林族議員の逆鱗に触れてしまいおじゃんになってしまいました。
その中で取り上げられた事案の一つである「農薬肥料の価格見直し」。
「日本の農薬は韓国の3倍の値段だ」
とか、
「地域によって農薬肥料の価格が違うのは不公平だ」
とかトンチンカンな指摘がありましたね。
しかし、そもそもなぜ農薬肥料が槍玉に上げられたのか?
ここからは僕が働く農薬業界の弁護になってしまうのですが、まあ聞いてください。
下のグラフは米を10a(1,000㎡)作るのに使われている経費の内訳です。
出典:
平成21年のデータですが、農業経営費のうち、肥料代は約10%で農薬代は約6%です。
もっとメスを入れなきゃいけないところ、ありますよね?
農機具・自動車代は全体の約25%を占めています。
これを削った方が「農家の手取りを増やすため」になりますよね?
25%のうち、5%でも削れれば肥料代の半分が軽くなりますよね?
では、なぜ農機具の方にメスは入らないのか?
それは農家が「農機具は高くてもしょうがない」と思っているから。
もっと言うと、メディアにそう思わされているから。
農機具のように、価格が高いものが動くときには多くの人や金が動きます。
当然、多くの人がその恩恵を受けるのでおいそれと批判することはできません。
テレビもそのひとつで、農機具メーカーからも広告収入をもらっています。
大して農薬や肥料は単体では農機ほど大きな金は動きません。
そうなるとその恩恵を受ける人も減りますので、発言力も弱く叩くのには格好の的になります。
テレビCMもほとんどしないので、メディアからもやられたい放題です。
トラクターやコンバインのCMはあっても、農薬のCMなんて見たことないでしょう?
なので農家の皆さんにあっては、農薬肥料の価格で頭を悩ませて消耗するよりもまず、農機の買い方を見直すことをお勧めします。
農業研修生を受け入れている知り合いの農家さんに聞いた話ですが、
「農業を始めたばかりの人ほど、一人で新品のトラクターを買いたがる」
そうです。
そのために借りたお金が返せなくて、辞めちゃうんだって。
トラクターなんてのは年に決まった時期にしか乗りません。
そんなものを自分一人で買っていたのでは、減価償却できるはずがありません。
他の農家と話し合って共同購入する。
中古で買う。
レンタルする。
いっそ機械は買わずに、機械がないとできない仕事は大型法人に委託してしまう。
などなど、農機具代節約には様々な方法があります。
別の農家さんは
「試乗車両は一定距離動かすと中古扱いになるから、時々試乗して待ってるw」
んだそうです。
・・・すみません、肝心の「一定距離」は忘れてしまいました。
ともかく、やり方は色々あります。
農機具は単価が大きいので、ただ単に値切り交渉するだけでも違います。
メディアに流されず、賢く経費節減してみてはいかがでしょう?