データで見る農業~「農業問題」ってホントはないんじゃないか?~
農業がわかると、社会のしくみが見えてくる 高校生からの食と農の経済学入門
記事のタイトルのようなことを考えて読みました。
正直、「社会のしくみわかる」というほどではなかったのですが、農業のしくみぐらいはちょっくらわかりました。
内容は予備知識無しの高校生向けに書かれているだけあって、かなりわかりやすいです。
農業のことだけじゃなくて、食品の価格や安全性についても書かれているので一般の消費者の方にもおすすめです。
これを読んだから何ができるといった話ではなく、あくまでざっくりとした入門書だと考えるといいです。
というのも、「農業」ってホントに奥が深い上に幅が広いから、一朝一夕で仕組みがわかるようになるのはとても難しい。
例えば、酪農家と野菜農家なんて全然違うのは誰が見てもわかるし、米農家やりながら野菜作ったりしてる農家もいたりして、経営スタイルもバラバラ。
それを一緒くたにして考えるのがそもそもの間違い。
だからこそ農経済学とか、植物栄養学とかいろんな分野に細分化されてしまった。
これに関しては医療の分野にも似たようなことが言えます。
ただ医療の分野と同様、細分化しすぎて逆に困ったことになっているのも現実。
専門家同士が自分の分野に特化しすぎていて、全体像を把握できなくなってしまっている。
だからこそ、インチキやごまかしが横行して農の現場や消費者が混乱してしまう。
生産者も消費者もそうならないためのはじめの一冊になると思います。
・・・まあ、インチキに騙されて文句だけ言っていたいならそれでもいいと思うけど。