人間と家畜の違いがわかる小説
初回はドキドキの連続でしたが、久々に読むともうオチがわかっているので伏線を追っていくのが楽しみでした。
仕掛けの部分もそうなんですが、個人的には和風テイストなのと未知の生き物が出てくること、そして鬱になるような暗い話がツボでしたw
ただ暗いだけなら、他にもいろんな作品があるんですが「新世界より」には、
「信じている『今』が果たして正しい世界なのか」
という壮大なテーマが垣間見えます。
現状に何の疑問も持たずに生きている子供たちが、ひょんなことから真実を知ってしまったときにどのような行動をとるか。
真実を拒絶するのか、それとも真実を受け止めて仕方ないと割り切るのか、はたまた真実に抗って新しい世界を切り開いていこうとするのか・・・
今の社会がまさしくそうで、真実は巧妙に隠蔽され、流れてくる情報は情報を流した支配層に都合のよい情報ばかりです。
そんな現実に対する向き合い方で、その人物の強さがわかります。
まあ、弱いからダメだというわけじゃないんですが・・・
真実を知ろうとせずに与えられた現状だけに甘んじている人間は、家畜と同じだと言い切っていますw
もしかしたら、僕自身も家畜なのかもしれませんが・・・
そうならないためにも、自分の道は自分で切り開いていこう。
ちゃんと勉強しよう。
苦しくても前に進む主人公・早季ちゃんに勇気をもらえますよ。