環境保全への意識は日本より台湾の方が進んでる?日本人が台湾で作った環境循環型ダム
自然の循環の中に人間もいる
先日台湾に研修旅行に行った時に見た、地下ダム「二峰シュウ」。
写真は実寸大の模型です。
ほぼ遊びのような旅行とはいえ、一応「研修」という名の付く旅行。
会社の経費で行かせてもらっているので、それなりにちゃんと勉強してきました。
このダムは台湾南部の屏東県にあり、設計者はなんと日本人「鳥居信平」氏。
サトウキビの安定供給のために雨季には治水のため、乾季には貯水のためにダムが必要でした。
しかし、巨大なダムは漁業や農業、林業などに大きな影響を及ぼし、挙句の果てには日本でも多かった住民の立ち退きも必要とします。
よく「ダムの底に沈んだ村」とか聞きますよね。
鳥居氏はそれらの問題を解決すべく地下にダムを作ることを提案。
粘り強い調査と地域住民の協力によって、1923年に完成。
石や木の枝を利用したろ過システムによって周囲の自然と調和し、そのおかげで80年間で補修がたったの3回!
人工物ではあるけど、人と自然が調和した好例ではないかと思います。
これほど優れた技術であるにも関わらず、日本ではこのようなダムはありません。
せっかく日本人が思いついたアイディアなのに。
何か問題があるのでしょうか?
個人的には真っ先に、土建屋や電力業者が儲からないからだと思ってしまいますが考えすぎではないでしょう。
ともあれ、ダムだけでなく農業もこのように自然と調和した産業でありたいものです。
鳥居信平氏や地下ダムについて知りたい方は鳥居氏の故郷、静岡県袋井市のwebページにもわかりやすく書いてあります。