消費者にとっては◎?農薬の使用制限は年々厳しくなっている!
ある意味農家泣かせ・・・
実は3年前(2014年)から農薬の残留基準に新たな項目が追加され、使用基準がさらに厳しくなっているのです。
新基準の名は
「ARfD(Acute Reference Dose)」
日本語にすると急性参照容量。
これは
「短期間(24時間以内)に摂取しても健康に影響がないと推定される摂取量(mg/kg体重)」
のことです。
今まではADI(Acceptable Daily Intake:一日摂取許容量)は残留基準として設定されていました。
ADIは
「生涯にわたり毎日摂取し続けても問題ない摂取量(mg/kg体重/day)」
のことですが、これだとある特定の成分を一度に大量に摂取した場合の評価ができません。
わかりやすく言うと、7杯のビールを1週間に分けて飲むなら問題ないけど、一晩で7杯飲むと酔っぱらってしまいます。
ARfDは「一晩で飲んでも酔っぱらわないビールの量」と言えます。
これにより農薬の使用基準が見直され、使用時期(収穫何日前まで使用できるか)の変更、登録作物の削除(作物によっては使用禁止になった)が行われています。
これは一般消費者にとっては喜ばしい事なのかもしれませんが、農家としては大変です。
収穫まで1週間あるのに、害虫が発生してしまい対応する農薬がない。
作物によっては農薬が使えなくなった。
など、栽培管理を変更しなければならない可能性があります。
今、日本で使用できる農薬は順番に基準の見直しを受けています。
しばらくは過去の基準で使用されるものもありますが、古い農薬ほどすでに多くの人に摂取されており、事故が起きていないことから統計的に安全だと言えます。
そのため、基準の見直しは新しい農薬から行われています。
消費者にとっては2006年のポジティブリスト制と合わせて、さらに安心の度合いが増すと言えます。
・・・農家の皆さんは大変ですよ。
使い慣れたおなじみの農薬ほど、後になって使用基準が変更になるわけですから。
知らずに使っちゃうと最悪出荷停止になる恐れもあります。
業界のニュースを良くチェックしておいてください。