ミノリガタリ

農薬販売員が農業・食・健康について考える

「無農薬」栽培は農薬に依存している!?

敵を作ることがビジネスになる

 

保険、医薬品、ダイエット技術、アンチエイジング、最近だとドライブレコーダー

 

これらに共通しているのは、特定の「敵」を設定してそれに対する恐怖を遠ざけることを標榜しているところ。

 

将来への不安、病気に対する不安、肥満、老いに対する不安、交通事故に対する不安などを和らげる名目で宣伝されています。

 

それ自体はなんら悪いことではありません。

 

不安を取り除くことで豊かな人生を送れるのなら、高額な年金保険に加入しても安いもんでしょう。

 

しかし、必要以上に恐怖や不安を煽るのはいかがなものかと思うのです。

 

農薬と無農薬を巡る議論もその一つです。

 

現在無農薬の農作物を求める多くの人は、「農薬は危険」という常識に基づいて行動しています。

 

これは「無農薬」と言ってしまっている時点で否定できない事実です。

 

平成18年に農薬のポジティブリスト制度が定められてから、農薬による健康被害があったでしょうか? (流通段階における悪意ある混入を除く)

 

ポジティブリスト制度とはざっくり言うと、

「国が認めた農薬成分以外は残留していてはいけないよ。」

という制度。

 

もちろん、国が許可した成分であっても基準値オーバーはNG。

 

即出荷停止になります。

 

例え隣の畑から流入したとしても基準値越えはご法度なので、農家としては気を使います。

 

実際隣の畑から認可外(登録外)の農薬が流れてきて出荷停止というのもたまに聞きます。

 

農作物に健康被害を及ぼすような量の農薬が付着していることは、流通段階で意図的に混入させでもしない限り、基本的にはあり得ないのです。

 

この「基本的に」のところが、また別の落とし穴だったりするんですが…

 

これに関しては別の記事で触れます。

 

つまるところ僕が言いたいのは、

「農薬を使って栽培したものより健康にいいから」

という理由で、高いお金を払って無農薬の作物が欲しいですか?

ってこと。

 

まあ、味で納得してるんならそれでいいんですけど。

 

本当に「無農薬」を欲してるのは農家の方だったりします。

 

だって農薬代は浮くし、作物は高く売れるし、農薬による健康被害もなくなるしね…

 

「お前今さっき農薬は安全だみたいに言ってたじゃねえか!」

ってツッコミが聞こえてきそうですが、これには経口と吸引の違いと農薬成分の半減期のトリックがあるんですよ。

 

これについても、また別の記事で触れる事にします。

 

何か疑問やツッコミどころなどがありましたら、お気軽にコメント下さい。

 

農業界にいるとどうしても業界目線になってしまうので、他業界や消費者目線のご意見をいただけるととても助かります。