かしこい農家になろう!一番経費削減できるポイント
マスメディアに騙されないで
一般消費者の方々はもうお忘れの頃だと思われますが、昨年に小泉進次郎氏が展開した農業改革戦略。
「農家の手取りを増やすため」として、様々な改革案が提案された末、農林族議員の逆鱗に触れてしまいおじゃんになってしまいました。
その中で取り上げられた事案の一つである「農薬肥料の価格見直し」。
「日本の農薬は韓国の3倍の値段だ」
とか、
「地域によって農薬肥料の価格が違うのは不公平だ」
とかトンチンカンな指摘がありましたね。
しかし、そもそもなぜ農薬肥料が槍玉に上げられたのか?
ここからは僕が働く農薬業界の弁護になってしまうのですが、まあ聞いてください。
下のグラフは米を10a(1,000㎡)作るのに使われている経費の内訳です。
出典:
平成21年のデータですが、農業経営費のうち、肥料代は約10%で農薬代は約6%です。
もっとメスを入れなきゃいけないところ、ありますよね?
農機具・自動車代は全体の約25%を占めています。
これを削った方が「農家の手取りを増やすため」になりますよね?
25%のうち、5%でも削れれば肥料代の半分が軽くなりますよね?
では、なぜ農機具の方にメスは入らないのか?
それは農家が「農機具は高くてもしょうがない」と思っているから。
もっと言うと、メディアにそう思わされているから。
農機具のように、価格が高いものが動くときには多くの人や金が動きます。
当然、多くの人がその恩恵を受けるのでおいそれと批判することはできません。
テレビもそのひとつで、農機具メーカーからも広告収入をもらっています。
大して農薬や肥料は単体では農機ほど大きな金は動きません。
そうなるとその恩恵を受ける人も減りますので、発言力も弱く叩くのには格好の的になります。
テレビCMもほとんどしないので、メディアからもやられたい放題です。
トラクターやコンバインのCMはあっても、農薬のCMなんて見たことないでしょう?
なので農家の皆さんにあっては、農薬肥料の価格で頭を悩ませて消耗するよりもまず、農機の買い方を見直すことをお勧めします。
農業研修生を受け入れている知り合いの農家さんに聞いた話ですが、
「農業を始めたばかりの人ほど、一人で新品のトラクターを買いたがる」
そうです。
そのために借りたお金が返せなくて、辞めちゃうんだって。
トラクターなんてのは年に決まった時期にしか乗りません。
そんなものを自分一人で買っていたのでは、減価償却できるはずがありません。
他の農家と話し合って共同購入する。
中古で買う。
レンタルする。
いっそ機械は買わずに、機械がないとできない仕事は大型法人に委託してしまう。
などなど、農機具代節約には様々な方法があります。
別の農家さんは
「試乗車両は一定距離動かすと中古扱いになるから、時々試乗して待ってるw」
んだそうです。
・・・すみません、肝心の「一定距離」は忘れてしまいました。
ともかく、やり方は色々あります。
農機具は単価が大きいので、ただ単に値切り交渉するだけでも違います。
メディアに流されず、賢く経費節減してみてはいかがでしょう?