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無農薬栽培のために農薬を使う?!〜これからの有機農業のススメ〜

完璧主義は成功しない

 

皆さんは無農薬で1番作りやすい作物は何かご存知ですか?

 

日本人の主食であるお米。

 

これが無農薬で作りやすい物の部類に入ってくると言われています。

 

先日、縁があってJA東とくしまで有機米の指導をされている西田聖さんの講演を聞かせていただきました。

 

西田さんは農協の異端児とも呼ばれており、肥料農薬の販売で収益を上げている農協で無農薬無化学肥料を推奨するという荒業を遂行されています。

「脱農薬」目指す異色の農協(猪瀬聖) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

以前にも書きましたが、農協は農産物の販売以外にも肥料や農薬などの農業資材の販売でも稼いでいます。

【農協改革】実は最先端?JA農業協同組合のビジネスモデル - ミノリガタリ

 

そんな状況の中で無農薬無化学肥料でお米を作るJA東とくしまは全国でもかなり珍しい農協です。

 

では西田さんはどのような作り方で有機米の栽培手法を確立されたのでしょうか?

1、土づくり

作物を作るのに欠かせない土づくり。

 

西田さんの指導方法では、前年の秋に有機肥料による土壌改良を行うとの事。

 

この土壌改良は毎年決まった分量の資材を投入する必要はなく、地力がついてきたら投入資材の量は減らせることができます。

 

詳しくは下記をご参照下さい。

地元産有機肥料で稲作 東とくしま農協、低コストで収穫増 :日本経済新聞

 

2、あえて除草剤を使う

えっ?!

 

と思われましたよね?

 

以前紹介した人吉球磨有機農業勉強会でも実践されていますが、土の中の微生物の活動が活発な程、雑草が生えにくくなります。

【無農薬栽培=時代遅れ?】実は進んでいる有機栽培技術 - ミノリガタリ

 

ただし、それ程まで微生物が増えるには有機資材を投入してから時間がかかります。

 

その間は通常の除草剤を用いた栽培方法よりも雑草がたくさん生えてきます。

 

3〜5年ぐらいはそのような状態が続く事もあり、それに挫折して有機米の栽培をやめてしまう人が多いのが現状です。

 

そこで西田さんはあえて完全無農薬にこだわらず、除草剤のみ使用する減農薬栽培にする事で難易度を少し下げました。

 

すると4,5年後には田んぼの環境が整うので除草剤無しでも雑草が生えなくなり、結果的に完全無農薬に出来るのです!

 

急がば回れの良い例ですね。

 

 

まとめ:農薬と無農薬は両立し得る

無農薬や有機栽培を志す人は

「絶対に無農薬じゃなきゃダメだ!」

と考えて自分を追い詰めてしまう人が多いです。

 

その結果挫折して

「やっぱり有機栽培は難しいよね〜」

となってリタイアしていきます。

 

そこはもう少し柔軟に考えて、3〜5年かけて減農薬栽培から徐々に有機に転換していく計画を立てる方が最終的には有効です。

 

以前にも書きましたが、何年も化学肥料を使ってきた畑では既に自然の状態から大きく離れた状態になってしまっています。

【就農で失敗する前に】なぜ日本は有機栽培をやめてしまったのか - ミノリガタリ

 

そんな状態の畑を自然の状態に近づけるには、やはり時間がかかります。

 

その間だけ農薬や化学肥料で手助けをしてやる事で、挫折せずに有機農業ができるのではないでしょうか。