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【就農で失敗する前に】なぜ日本は有機栽培をやめてしまったのか

「自然」とは何なのか

 

近年、健康志向や環境への配慮から「自然食」とか「自然栽培」と言った言葉をよく聞かれるかと思います。

 

自然栽培や有機栽培と聞くと農薬や化学肥料を使っていない、安心安全な食べ物というイメージがあります。

 

一方で「国産」というブランドにも安心安全なイメージがあり、スーパーなどでも外国産のものよりも少し高めの値段設定になっています。

 

つまり「国産」の「有機栽培」こそ、最強の安心安全な食べ物という事になりますが、実は日本の有機栽培面積は先進国の中でもかなり少なく、全体の0.2%しかありません。

 

これは農水省のレポートとして、データが公開されています。

http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/index-52.pdf

 

これは国産と比べると安心安全のイメージとしては異なる、お隣の中国(0.4%)、韓国(1.2%)よりも低い水準で、もはや日本は有機農業後進国という位置にいます。

 

つまり「有機栽培=安心安全」の観点から見ると、「国産=安心安全」という神話はもはや成り立たないのです。

 

相当頭が悪いか、ヒステリックな宗教家でもない限り、ここまでの話は理解してもらえるかと思います。

 

ではなぜ、日本ではこれほどまでに有機農業や自然栽培が廃れてしまったのか?

 

多くの自然農家の考えの基礎を作った、福岡正信さんの

自然農法 わら一本の革命

を引用しながら説明します。

 

1:儲けるために無駄な事をするようになった

福岡さん曰く、人間が工夫を重ねて編み出した現代の農法のほとんどは無駄。

 

たくさん採れる品種は沢山の化学肥料が必要になる。

 

効率よく作業するためには同じ作物を同じ場所にまとめて植えるので病気になりやすく、農薬が必要になる。

 

大面積を短時間で耕すには大きな機械がいるし、そのためには沢山の燃料が要る。

 

冬にはイチゴなどの季節ハズレの作物が高く売れるので、ハウスを建てて暖房を入れる。

 

スーパーなどが儲けたり、消費者のわがままに沿う形で本来なら必要ない作業に時間と労力、お金がかかるようになります。

 

さらにそれが当たり前になり、肥料、農薬、農業機械などの周辺産業の維持のために農業自体が回ってしまっている。

 

これはもはや誰が悪いとかではなく、そういう仕組みで日本の食品業界や産業、経済が回ってしまっているので、仕方がないのです。

 

大事なのはそれ故に、日本の農業は自然から大きく離れてしまっている事を理解しておく事です。

 

2:「自然栽培=放任」という勘違い

「自然」と聞くと、人の手を加えず、ありのままの状態をイメージされるかと思います。

 

もちろんこれは間違いではないのですが、初めて自然栽培や有機栽培をする場合、何も手を加えずにいると大抵の場合は失敗します。

 

この間違いの大きな理由の1つは、一度人の手が加わった畑は既に自然の状態から大きくかけ離れてしまっているからなのです。

 

すでに現代の農法を使って作物を栽培した畑では、肥料によって土の栄養バランスが変わり、農機によって地中奥深くの層がガチガチに踏み固められてしまっていて、自然の状態とは程遠いいわばマイナススタートの状態になってしまっています。

 

そんな状態で作物を植えて放置していては、ちゃんと育つ方が不思議なのはわかりますよね?

 

なんせマイナススタートなんですから。

 

マイナススタートの畑を作物が育つ状態に持っていくには、また人の手を加えてプラスマイナスゼロの状態に戻してやるしかありません。

 

それを繰り返しているのが現代農法なのです。

 

悪く言うとお金をかけて肥料や機械を使わないといけないので、儲けないといけない。

 

儲けるためにはさらに肥料や機械を使わないといけない…と言う循環なのです。

 

この循環から脱するのは容易ではありません。

 

何年もかけて現代農法に適応した土を自然の状態に近づけるにはそれ相応の年月がかかります。

 

それが認知されていないので、志ある有機農業に挑戦しようという若者が挫折し、一向に有機農業が普及しないのです。

 

まとめ:みんなが農家になれば解決

じゃあ、どうすれば有機栽培や自然栽培が増えるのか?

 

これは福岡さんも僕も全く同じ意見なんですが、

みんながちょっとずつ農業に携わればいい

のです。

 

どういうことかと言うと、有機栽培や自然栽培を一部の農家に任せるのではなく、庭やベランダ、市民農園などで少しずつ自然栽培を楽しみ、みんなでちょっとずつ土をよくしていけばいいんです。

 

なかなか難しい事ですが、本業の息抜きに趣味程度で農作業をする事で「農業で儲けよう」と言う気負いがなくなるので無理して収穫量を増やそうとしなくてもいいのです。

 

なんせ農業以外に収入源があるんですから。

 

そうして自分で収穫した野菜は産地偽装もしようがありませんから、これ以上ないくらいの安心安全です。

 

自然農法 わら一本の革命

こう言う自然栽培についての本は基本的にスピリチュアルな話になってしまって、現実的離れした結論に着地しがちなのですが、福岡さんは元々科学者として植物防疫所で働いていたこともあり、実に論理的な方法論を紹介してくれています。

 

もちろんスピリチュアルな話が好きな方向けに、そっち方向の話もあります。笑

 

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