まだ「無農薬」で消耗してるの?ポジティブリスト制度と農薬中毒
時代は変わったんだよ・・・
僕自身もそうなんですが、「農薬」と聞くとやはり体に悪い気がしますよね?
これもやはりメディアの力が大きい気がします。
みなさん、「農薬が危ない」と聞くとまずは「残留農薬」のことを思い浮かべると思います。
残留農薬とは栽培期間中に使用され、基準値を超えて使用されたり環境中で分解されなかったりして、食品中に残ってしまった農薬のことを言います。
調べてみていただくとわかると思いますが、残留農薬による健康被害はここ10年間に報告されていません。
よく混同されるんですが、農薬の「残留」と「混入」は全くちがいます。
最も記憶に新しい農薬による健康被害事件は「中国製冷凍餃子」の事件ですが、これは実際に使用するよりもかなり濃い濃度で殺虫剤が混入したために起きたもので、出荷される野菜に健康被害になるような量が残留することはまずありません。
では、なぜ「農薬=危険」というイメージがついてしまっているんでしょうか?
おそらく、昔のイメージにとらわれすぎているんだと思います。
農薬販売者として農家さんと話していて、よく聞くのは
「昔の農薬の方がよく聞いた」
という声。
一方で、
「昔は農薬少しでも皮膚に触れると赤くかぶれたもんだ」
という声も。
なぜこのようなお叱りを受けるかというと、昔と比べて農薬の安全基準が大幅に見直されたからです。
特に平成18年(2006年)の「ポジティブリスト制度」の導入により、農薬の使用にかなりの制約が課せられるようになりました。
詳しくはこちら
なので、わざわざ高いお金と神経を使って「無農薬」や「オーガニック」にこだわらなくても、今の制度では市場に出回るものの安全性はかなり高いので、安心して食べて下さい。
ただこの残留基準、個人的には引っかかるところがない事もないんですが・・・
少なくとも改正前の基準よりははるかに安全だし、昔の基準で作られた野菜を食べていたはずのおじいちゃんおばあちゃんが長生きしすぎて問題になるぐらいだから、それほど過敏になって消耗することはないと思いますよ。
ちなみに出回っている野菜で「無農薬」や「オーガニック」と書いていない野菜は99%農薬が使用されています。
それらを避けて食べるなんて余程時間と金を持て余していないと不可能です。
心配しないで、「有農薬」野菜とうまく付き合っていきましょう。